2021年の夏の高校野球全国大会。
近年は夏の猛暑・酷暑の中での開催による熱中症対策が話題の中心になる事が多かった。
しかし、今年は雨が多くて順延による日程消化やコロナ感染者が出てしまい、出場辞退に追い込まれる学校が複数出て話題になりました。
野球好きの方にとっては、夏の大きな楽しみであるこの甲子園大会ですが、今後の開催の在り方を考える契機となる大会でもあったと思います。
また、甲子園といえばグランド整備で話題の「阪神園芸」って何?
「甲子園の土」ってどこから持ってくるの?というのが常々話題になります。
そこで今回は、高校野球の全国大会はなぜ甲子園で行われるのか?阪神園芸って何の会社?甲子園の土はどこから持って来るの?を調べてみました。
高校野球の全国大会はなぜ甲子園球場で行われるのか?
高校野球の全国大会は、1915年から開催(当時は中等学校全国大会)されていますが、第1回大会は、箕面有馬電気軌道(阪急電鉄の前身)が建設した豊中グランドで行われています。
ただ、当時から規模の小ささは問題になっていて、
今後の規模の拡大等を考慮して主催者である大阪朝日新聞社の提案に応じる形で、阪神電気鉄道が新しく球場建設をしたのが今の甲子園球場になるのです。
当時の阪神電鉄の構想で建設され、1924年8月1日に完成。
この年が、十干十二支(じっかんじゅううにし)最初の年である甲子年(きのえねのとし)という非常に縁起の良い年だったという事で、
甲子園大運動場(現:甲子園球場)と名付けなれたと言われています。
第10回大会から使用されていて、戦時中は阪急西宮球場(阪急ブレーブスの本拠地で現在はありません)を使用されたりもしましたが、現在もその流れで使用されています。
併用されていた時期に、甲子園球場で試合が出来なかった高校からの不公平だという批判の多さから、甲子園球場だけの使用になったと言われています。
今年度(2021年)は103回大会ということもあり、非常に歴史の古い大会で夏の暑さの問題で諸問題がありますが、
全国の球児たちが甲子園球場での開催にこだわる大きな理由と言えるでしょう。
ただ、今後は気温30度を大きく超える夏の開催を考えると、ある程度の温度調節が可能なドーム球場へ開催を変更する事も真剣に考える時期に来ているとは正直思います。
投手の球数制限だけでなく、熱中症という点も選手・審判・応援団・観客等の多くの命を守るために考えて頂きたいテーマです。
グランド整備で登場する阪神園芸って何者?
甲子園に出場した球児たちが、安心して試合が出来るのは、多くの裏方さんの活躍に他なりません。
その中でも、雨上がりのグランド整備で度々脚光を浴びる『阪神園芸』って何者?と思った方は少なくないのではないでしょうか?
会社そのものは、しっかりとした会社のようで、ちゃんとホームページもあります。
正式には『阪神園芸株式会社』という社名で、阪神阪急東宝グループの会社という事。
元々は、阪神電気鉄道が甲子園球場近くの遊園地等の管理整備のために会社の一部門を母体として設立した会社という事。
今では、阪急との合併もあったりして規模も大きくなり、関西の造園会社としてはトップクラスの規模にまで成長しています。
ただ、阪神園芸の名前を大きく全国規模にまで広めたのは、何と言っても甲子園球場でのグランドの高いレベルでの整備になると思います。
今では、野球関係者・ファンからも高く評価されており、雨天試合での迅速な作業は「神整備」とも呼ばれています。
ドロドロになったグランドをほんの数時間で整備をしてしまう様子を、何度かテレビでも見た事があります。
また、彼らが整備をして無理であれば、だれがやっても無理だ!という程の信頼度があります。
甲子園球場をホームグランドにしている、阪神タイガースの選手の多くからも、そのグランド管理レベルの高さを称賛されている程です。
甲子園球場の土ってどこから持ってくるの?
高校野球の風物詩として、試合後に負けた高校がグランドの土を持って帰る風景がテレビなどに映像として映し出されるのを良くみかけました。
春と夏に年2回の高校野球の全国大会として甲子園球場で試合が行われます。
その試合毎に球児が土を大量ではないにしても持って帰りますので、相当な量の土が減っているだろうな・・・とは思っていました。
なので、その土はどこから持ってきているのだろう・・・・という素朴な疑問もありました。
その答えは、甲子園球場のHPにQ&Aのコーナーにありました。
その中での一番の驚きは、甲子園大会で最初に土を持って帰ったと言われている人が、なんと川上哲治氏という事です。
私自身は現役時代も監督時代も生で見たことはないのですが、「打撃の神様」と言われた方で、王さん・長嶋さんが現役時代の巨人の監督です。
いやいや驚きました。
今はコロナ禍で、試合後に除菌作業を行う都合上、試合後に土を持って帰るという事が禁止されているとの事で、非常に残念です。
2020年の夏の大会はコロナ禍で中止になっていますしね。
高校野球のファンとしては、早く普通に試合が出来る状況になって欲しいと願うばかりです。