目黒寄生虫館はコロナ渦で存続危機だったが、ビル・ゲイツさんの訪問で世界中から注目された。

2022年8月19日、マイクロソフトの共同創業者である『ビル・ゲイツ』さんが目黒寄生虫館を来訪されました。

ビル・ゲイツさんは現在、世界の病気や貧困などに対する慈善活動も行っています。

ビル・ゲイツさんは、目黒寄生虫館所蔵のサナダムシを指さす写真とともに、

Twitterに以下のように投稿されました。

I’m at my happiest when I’m learning – no matter how gross the subject matter. Today,
I experienced the Meguro Parasitological Museum in Tokyo,
and saw what is believed to be the world’s longest tapeworm.
10/10 would visit again.

<学んでいる時が一番幸せです。今日は東京の目黒区にある寄生虫館で、世界一長いとされるサナダムシを見てきました。
10月10日に再び訪れます>

実は、このことが、目黒寄生虫館にとっては起死回生の出来事でした。

コロナ禍前までは、若者のデートスポットとして、また入館料も無料だったので、
人気のスポットだったのですが、何があったのでしょうか?

そこで今回は、目黒寄生虫館はコロナ禍で存続危機だったが、ビル・ゲイツさんの訪問で世界中から注目されたということについて、
また、目黒寄生虫館とはどんなところなのか?について調べてみました。

目黒寄生虫館とは

目黒寄生虫館は、1953年に設立された東京・目黒区にある寄生虫専門博物館です。

JRの目黒駅から、徒歩10分~15分ほどの所にあります。
なので、駅からすごく近い・・・というわけではありません。

こちらでは、寄生虫ならびに寄生虫症の脅威についての研究に関する、
調査活動、学術資料の収集、普及活動などの事業を行っています。

コロナ渦における目黒寄生虫館

目黒寄生虫館は、1953年の設立以降、入館料無料の博物館です。

資産運用益や寄付金などが主な財源ですが、
新型コロナウイルス蔓延の影響を受けて、設立以来、常に5万人以上いた来館者が半数以下にまで激減してしまいました。

大きな収入源の一つでもあった、グッズの売り上げも減少しました。
入館料無料というのもあり、ここでしか買えないものも多く、グッズは大人気だったようです。

その結果、2020年度は約600万円の収入源になると予測されていました。

その為、寄生虫館の維持と管理にかかる経費負担も大きいので、閉館危機になりそうな状況まで来ていたという事です。

その危機回避の為、2020年度より、目標額を500万円と設定して寄付金を募っていました。

それでも、2021年度は450万円しか集まらずに、ホームページ等でさらなる寄付金の呼びかけを行っていたという事です。

ビル・ゲイツさん訪問による大きな反響

目黒寄生虫館の公式サイトによると、
2022年8月21日から9月4日の期間で、目黒寄生虫館に533名から269万円の寄付が寄せられたとのことです。

寄付合計金額は、目標額を上回る520万円以上になりました。

このような結果は、
ビル・ゲイツさんの目黒寄生虫館への訪問とTwitterでのツイートが大きな要因となったことは、誰も否めない事実でしょう。

Twitterへツイートした後、ホームページへのアクセスが、普段の7倍になったという事です。
しかも、日本国内だけでなく、国外からも非常に多くのアクセスがあったようです。

ビル・ゲイツさんが、『世界で一番長いとされる、サナダムシを見た』というツイートをすれば、
世界中の方は、そりゃなんだ!って気になりますよね。

ビル・ゲイツさんは、目黒寄生虫館では『ミヤイリガイ貝のストラップ』と「ボールペン」を購入されたそうです。

目黒寄生虫館のこれから

日本に住む多くの人にとって、
寄生虫病は、もはや自身の健康を脅かす存在として認識するような機会は少ないでしょう。

確かに、現代日本においては、
食品の衛生管理が徹底され、また清潔な上水道と適切にメンテナンスされた下水道が完備されています。

さらには、特定の寄生虫の宿主を撲滅するなどの対策が講じられています。

けれども、目黒寄生虫館の倉持館長は、以下のようにおっしゃっています。

寄生虫の存在を、ほとんど意識せずに生きていける日本という環境が、
いかに大切であり貴重であるか、その環境を私たちは、いかに享受しているのかにも思いを馳せるべきであると。

ひとたび海外に目を向ければ、
日本ではとっくに克服されたような寄生虫病に苦しむ国や地域がたくさん存在しています。

現在においても、世界には厳しい現実に直面して生きている人々が数多くいるのです。

そのような人々の存在、そのような人々の苦しみにまで思いを馳せることを、
目黒寄生虫館では経験してほしいのです。と倉持館長はおっしゃいます。

そして、目黒寄生虫館で見て学んだことがきっかけとなって、
直接的にでも間接的にでも、寄生虫や寄生虫病に苦しむ人々の助けとなるような活動を目指す人が現れれば、
この上ない喜びですと締めくくられました。

目黒寄生虫館は、ただ、さまざまな寄生虫を展示して、
いのちを脅かすような寄生虫病を紹介している施設にとどまりません。

それらの展示物から、世界の人々の現状を想像し、その現状を調べ、
それらを改善するために行動を起こす人材を育むことを本望としているのです。

目黒から世界へ。

目黒寄生虫博物館が目指すSDGsに私も貢献していこうと思いました。

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