東京オリンピックでヤマト運輸が表彰台を設営していましたが、その素材とデザインは?

先日閉幕した東京オリンピックでメダリストの表彰台を設置している様子を見て「あれっ」と思った方は多いのではないでしょうか?
なんと、普段の生活でもよく見かけるユニフォームを着た方達が手際よく丁寧に設置しているではないでしょうか?
そうです、ヤマト運輸(クロネコヤマト)の制服を着た方たちが設置していたのです。
こんなところでも活躍しているのね?と思ってしまいました。
その仕事ぶりは丁寧そのもので、さすが日本だと思ってしまいます。
そして、その表彰台ですが、今回初めて使用される素材で作られているそうです。
そこで今回は、メダリスト達がのぼる表彰台の素材やデザインについて調べてみました。

表彰台の設営はなぜヤマト運輸のスタッフなの?

まずは、なぜクロネコヤマトのユニフォームを着た人たちが表彰台を設置していたのか?という事です。
それは、ヤマトホールディングスが東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルパートナーだという事のようです。
「備品の輸送全般を担っていますが、その流れで(表彰台設営も)スムーズな物流を通じて大会の成功に貢献するために、関わっています」
とヤマト運輸の広報担当者が言っていたそうです。
競技が終わって表彰式が始まる前までに、手際よくあっという間に完成させてしまっている風景が、毎回毎回放送されてはいませんでしたが、SNS上では大きな話題となっていました。
「表彰台もクロネコさんが運ぶの?」「いつもお世話になっているクロネコさんが表彰台を…」「クロネコさんありがとう!」など感動の声が多数投稿されていたのが印象的でした。
荷物の運搬だけでなく、こういった所でも良い仕事をしているクロネコさんに感謝ですね。
その様子の写真等を以下のサイトでアップされているので、興味のある方は一度覗いてみてはいかがでしょうか?
いつまで公開されているかは分かりませんので、アクセス出来なくなっていましたら、申し訳ございません。
公開写真はこちら

表彰台はどんな素材で出来ているのか?

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、大会が始まる事前に表彰式の表彰台や楽曲、衣装&メダルトレイなどを発表しました。
「持続可能性」への貢献を意識してつくられていて、表彰台は使用済プラスチックを使っているとのこと。
表彰台は、「みんなの表彰台プロジェクト」によって集められた使用済プラスチックを使用しており、
プラスチックパーツは全てリサイクルプラスチックで、持続可能な社会に向けた新しいモデルを発信しています。
五輪・パラリンピックともに高さ120センチ×幅120センチ×奥行120センチのユニットを組み合わせて使用する。
五輪は4ユニットで1セットとして、合計98セットが作られました。

パラリンピックは、3ユニットを組み合わせて表彰台に上がるスロープの設置や車いすタイプが用意されています。
デザインには、最先端の3Dプリント技術も使われていて、プラスチック加工や独自のプリンター開発には日本の高い技術力が終結されています。
これは、次の世代に繋がる技術であり、将来的にサステナビリティを考慮した大会を実現するために、作成する数を少なくするだけでなく、
大会を終えた後に再利用できるような素材であったり活用方法であったりという点も重要です。
使われた素材は、日用品メーカー(アリエールやP&Gなど)からの使用済みプラスチック容器を再利用して表彰台を作成しました。
また、全国2000店舗のスーパーマーケットやドラッグストア、学校や企業から24.5トンの素材を集めました。
プラスチックのリサイクル方法というのは、今後も大きな課題となる所でしょう。
その活用方法の一つを示すものとして、このオリンピックがきっかけになるのでしたら、
コロナ禍で開催する事に賛否両論がありましたが、大きな意義のある大会になったのではないでしょうか。
そして、大会後に廃棄してごみを増やさないようにするために、使用後の有効活用が出来る事まで考えたデザインコンセプトだったという事です。
たとえば、キューブを分解して各国に持ち帰ってもらうとか、どこかで展示・保存するといった再利用案とか。
どちらにしても、個人も企業もこれらの課題解決に向けた努力を続けてほしいと思います。

そのデザインやと表彰式のトレーや衣装は?

表彰台のデザインはエムブレムを制作した野老朝雄氏で、「多様性と調和」のメッセージが込められたエムブレムを体現するデザインという事です。
そして、エンブレムと同様に「つながる」を意識したデザインになっているとの事。
表彰台を各ピースを繋ぎ合わせることで完成してアスリートが上る台となる。
そして、アスリーとが乗って初めて完成する。
作成には、現代の最新技術である3Dプリンターを使用し、当然この技術は次の世代にもつながる技術なのは間違いありません。
使用された材料は、捨てられてしまうプラスチックの廃材を使用しています。
普段はごみとなってしまうものが、研究によって人が乗っても大丈夫というものを作り出している。
こういった技術を次の世代につないでほしいという願いが込められているという事でした。
そして、側面には「組市松紋」を立体化して、日本の伝統的デザインを幾何学的に発展させ、伝統的藍染を思わせる色合いで日本らしさを世界に発信しようとしています。
また、衣装は現代の祭典にふさわしい「新しい礼服」をコンセプトに「かさね」「おり」「結び」「染め」という和装の技術を取り入れつつも、日本の夏の暑さ対策も施されているとの事。
メダルトレイは、伝統的な扇子をモチーフにしてリサイクル可能な再生ABS樹脂を使用して作られています。
こういった、現代の最新技術というものを次の世代に受け継がれる大会であったと将来も言われる大会であればいいなぁと思います。
こんな事が、クロネコヤマトの愛称で親しまれているヤマト運輸の方々のテキパキとした表彰台設営作業から思い描いて頂けたら幸いです。

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