ペットボトル症候群のきっかけと原因は何か?また、夏に多い理由は?

近年の夏の暑さは尋常じゃないくらい暑いです。
暑い日は水分補給を細目に行わないと脱水症状や熱中症になる可能性があります。

しっかりと体内に水分補給をしなければいけないのですが、
その水分補給で気を付けないといけない事があるのをご存知でしょうか?

それは、ペットボトル症候群』という聞きなれない言葉の症状です。
もしかしたら、初めて聞いたよ!という方もいらっしゃるかもしれません。

ちょっとかわいい名前ですが、実は命にも関わる危険な症状なんです
このペットボトル症候群は、夏に多く起こりますが、原因や対策方法を知っていれば多くの場合は回避が可能だと思います。

そこで今回は、『ペットボトル症候群のきっかけと原因は何か?また、夏に多い理由は?』について書いてみました

ペットボトル症候群ってなに?

ペットボトル症候群とは、涼飲料水やスポーツドリンクなどを多量に飲むことで起こる症状のことです

スポーツドリンクや清涼飲料水には、糖分が多く含まれているため、
大量に摂取してしまうと水分補給と同時に大量の糖分も体内に摂取してしまいます。

そんな糖分が多く含まれる飲料を大量に飲むことによって起こる急性の糖尿病の事を、『ペットボトル症候群』と呼んでいます。
飲み物だけではなく、フルーツの缶詰やアイス類などの糖分が多いものを大量に食べることでも発症すると報告されています。

毎日暑い日が続いていますので、ついつい冷たいものが欲しくなって誰もがやってしまいそうですよね。
ソフトクリームにコーラという夏に多い休憩中の組み合わせですが、
あまり頻繁に食べたり飲んだりしていると、ペットボトル症候群になりやすい、という事です。

主な症状は?

ペットボトル症候群の症状としては、
激しいのどの渇き・体のだるさや脱力感・吐き気や嘔吐・頻尿・多尿とさまざまな症状が現れます。

糖分を沢山摂取すると血糖値が高くなり、血液中の糖の濃度が濃くなります
その濃くなった血液を薄めるために、体は水分を必要として糖を尿と一緒に体外へ排出しようとします。
暑さで汗も大量に出るので、ますます身体は水分が不足状態になります。
その為、さらに体は水分を欲しがるようになるので、喉が渇くのです。

そこで、糖分を多く含んだ飲み物を飲めば、
水分だけ体外にどんどん排出されるが、
糖分はどんどん体内に蓄積されていく・・・という状態になりますよね?

インスリンという体を動かすエネルギーを作るホルモンがあります。
血液中の糖分を細胞に運び血糖値を下げる働きをするインスリンですが、
糖分の高い状態が続くと、すい臓からインスリンが分泌されにくくなります。

インスリンの分泌が低下したり作用が不足してしまうと、
細胞に糖分を届けられなくなってしまいます。

すい臓でエネルギーを作り出すことができなくなると、
代わりに肝臓で脂肪を分解してエネルギーを作り始めます。

そして、脂肪を分解する時にケトン体というものが一緒に作られます。
そのケトン体が増えすぎて溜まっていくと、血液がどんどん酸性になっていきます。
このことを「アシドーシス」といいます。

アシドーシスとは、体内がどんどん酸性に傾いていく状態で、
体内が酸性に傾くと、免疫力が低下して、さまざまな病気を引き起こす可能性が高まります。

要するに、ペットボトル症候群は、糖分が多く入っている飲み物大量に摂取する事で、
高血糖になってインスリンの分泌機能を下げ、血液の性質まで変化させてしまうのです。

治療方法は?

ここまでの説明でペットボトル症候群が、かなり危険な症状に陥る可能性があるという事が分かりました。
では、もし自分自身が発症してしまった場合に、どんな治療法や対処法があるでしょうか。

ペットボトル症候群は高血糖+高度の脱水症状の状態に陥る病態です。
そのまま放置してしまうと昏睡状態に陥る可能性もあります。
そうならないためには、早めに医療機関での受診・治療が必要となります。

脱水症状に関しては点滴治療を行い、高血糖による脱水で失われた水分を補給します。

高血糖の症状に関しては、インスリンの点滴が必要になります。
インスリンの吸収が不安定になる脱水状態では、静脈内へと投与の持続が必要です。

インスリンが体内に十分投与されて量も増えると、ケトン体は数時間ほどで消え、アシドーシスも改善に向かいます。

ペットボトル症候群の対策は?

では、ペットボトル症候群にならない為の対策として、どのような事が考えられるでしょうか。

まずはシンプルに、糖分が多い飲み物は控えて、お茶や水などにするということです。

糖分が多い飲み物を体内に入れてしまうと、食べ物に比べて急激に糖分を摂取してしまいます。
結果として、高血糖になりやすいのです。

夏はどうしても、コーラやスプライトのような炭酸飲料を多く飲んでしまいがちになります。
また、体内の吸収が良いからと、ポカリスエットやスポーツ飲料を飲んでしまいがちになります。

これらの飲み物は、水分補充と同時に糖分も補充されてしまうので、
飲んではダメというのではなく、量を考えて飲むようにしましょう。

適量は、砂糖25g分と言われています。

飲み物によっては、500mlで適量を超えるものもあるので、
飲むときには確認するなどして注意しましょう。

まとめ

のどが渇いて暑い時に飲むドリンクは、とてもおいしいですよね。

しかし、摂取しすぎると『ペットボトル症候群』に陥り、高血糖になるリスクが高まります。

糖分を含むドリンクを飲む時は、飲み過ぎないように適量を守ることや、
なるべく水やお茶を飲むようにする事が、一番簡単に回避できる対策だと思います。

また、熱中症には糖分というよりも塩分の補給が大事になってきますので、
暑い夏こそ、何を飲むか、しっかりと考えて下さいね。

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