馬尾症候群とはどんな病気?その症状と治療法を調べてみました

あなたは、馬尾症候群(ばびしょうこうぐん)という病気について聞いたことはありますか?

「馬尾症候群と言うからには、馬尾という言葉が付いてるし馬の病気?尻尾の病気?」と、思われる方も多いのではないでしょうか?

名前だけ聞くと、どんな病気なのか?何が原因で発症するのか?良く分かりません。

この病気は、人間だけでなく動物(犬や猫など)にも発症する病気のようです。

特に、飼い犬や猫などは、ある程度の高齢で発症するケースが多いので、
年齢によって足腰が弱くなったと思い、見逃してしまいがちな病気だという事
です。

そもそもが耳慣れない病気で、しかも見逃しやすい病気という事なので、
ここで学んでおく事で、飼っている犬や猫の足腰が弱くなったなぁと感じた時に疑ってもらえるかもしれません。

そこで今回は、この謎の病気である「馬尾症候群」について、原因や治療法などを解説していきます。

馬尾症候群とは?

犬の背骨は脊椎と呼ばれますが、その中には中枢神経である脊髄神経が通っています。
この脊髄神経の末端は腰椎の部分で、馬の尻尾のように細かく分かれています。
その為、ここの部分を総称して馬尾神経と呼んでいます。

そして、この馬尾神経が、様々な要因で圧迫を受ける事で発症する神経症状の総称を馬尾症候群と呼んでいます。
非常に発見しにくい病気なのですが、近年の技術の進歩によって、発症数が非常に多くなってきています。

若い年齢というよりも、ある程度の年齢になってから後天的に発症する事が多いので、
飼い主からすると、年齢によるものと誤認してしまう可能性が高く、発見が遅れてしまう事が多いそうです。

どちらかと言えば、大型犬に多いそうですが、中型~小型犬や猫にもみられる病気ですので、
最近足腰が急に弱くなってきたなぁ・・・と感じていた場合は、馬尾症候群を疑ってみても良いかと思います。

 

馬尾症候群の症状とは?

馬尾症候群の症状は、腰痛・下肢に沿って下がっていく痛み・肛門周りのしびれ・腸や膀胱の制御喪失などがあげられます。

実際に飼い犬の行動として、どんな事が考えられるのか?
という事ですが、

  • 腰仙部の痛み(つまり腰痛)により、ジャンプをしたがらなくなる。
    ⇒車やカートに飛び乗れなくなる、尻尾を振らなくなる
  • 後肢の跛行や麻痺がおこる。
    ⇒座るのが遅い、階段の昇降が困難になってくる
  • 排尿時や排便時の感覚の低下や麻痺
    ⇒尿失禁や便失禁がおこる

上記のような痛みや症状は、関節炎とよく似ている為、関節炎と誤診されるケースも多々見られるとい事で、
飼い主さんがしっかりとご自身の飼い犬の様子を見ている事が、誤診を防ぐ為には重要になって来ます。

       

      馬尾症候群の診断は?

      馬尾症候群の診断は、簡単ではなく、獣医外科専門医とか神経外科のトレーニングを受けた獣医師の診察を受ける事が重要です。
      MRIやCT、脊髄造影検査などの特殊な画像診断が必要にはなって来ますが、正常な中高齢の犬とか猫とかでも、画像上の異常がみられることは珍しくないため、
      見極める目や経験を持った医師に診断して頂く必要があります。

      ・MRI検査
      ⇒脳や脊髄にある病変を診断するのに利用されます。脊椎や脊髄の腫瘍が圧迫の原因ではないか?と疑われた時にはMRI検査がお勧めです。
      ・脊髄造影検査
      ⇒脊髄くも膜下腔に造影剤を注入して、X線撮影をします。比較的短時間で診断が可能です。
      主に小型犬や猫の場合に有効です。CT検査を同時に行うとさらに有効になります。

      その他、歩行検査や神経学的な検査、整形外科的検査などを行い、総合的な検査結果より判断されるので、
      普通の獣医師にはなかなか難しい診断になります。

       

      馬尾症候群の治療法は?

      馬尾症候群の治療法は、内科的療法と外科的療法の2つの選択肢があります。

      症状などを診察して、獣医師が相互的にどちらが良いのかを判断する事になるのですが、
      比較的症状が軽い場合は、内科的療法を行う事が多く、
      症状が重い場合は、外科的手術も行う外科的療法を行う場合が多いようです。

      内科的療法

      比較的軽い症状の為、運動制限だったり抗炎症剤や鎮痛剤を投与して、しばらく様子を見る感じの温存療法を行います。
      そのまま様子を見て、回復していくようであれば良いのですが、再発するようでしたら、外科的療法に移ります。

      外科的療法

      内科的療法で回復が見られない場合、症状が重症化するような場合は、手術などを含めた外科的療法へ移行します。
      圧迫されている脊椎や神経の減圧術、要仙椎の不安定性を安定させるための方法を単独だったり、組み合わせてだったりを行います。
      骨を除去したり、骨セメントで固めたりと、不安定な部分を安定させるために大掛かりな手術になる事もあります。

      予後に関して

      術後に関しては、症状がでた原因や重症度、そしてその障害が出ている期間によって変わって来ます。
      ある報告によれば、外科的療法による治療で術後の改善率は1年半で約8割。
      5年未満で約7割となっています。

      ただ、慢性的な疼痛や跛行、神経障害を持つ症例の場合は、改善に時間を要するケースが多くて、
      完全に改善しないケースも多いようです。

      そして、尿失禁や排便不全を持つ症例の場合は、術後の改善具合も良くありません。

      すべてのケースにおいて言える事ですが、早期発見で早期治療が一番良いのであって、
      症状が見られてからの経過時間が、治療をして改善するかどうかの大きなキーポイントになるのは間違いありません。

      なので、疑わしい様子が見られたら、まずは病院へご相談してください。

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