選挙と聞くと、年に何回かある年もあれば、2~3年無かったりもするので、いつ、どんな時にやるの?
と思っている人も少なくないのではないかと思います。
国の代表である、内閣総理大臣は国会議員の代表であり、その国会議員は私たち国民が投票して決める選挙で選ばれています。
では、その選挙制度ってどうなっているの?
国会議員って言うけど、『衆議院』と『参議院』って2つあるんだけど、何がどう違うの?
政党もたくさんあるし、政治は難しいという事で、無関心になってしまうのも少しわかります。
ただ、自分たちの生活を良くするのも、悪くするのも、政治家の政策にかかっているのです。
自分たちの生活を少しでも改善したい、自分の子どもや孫たちの世代の為により良い日本にしたい、
というお気持ちがあれば、政治に少し興味を持ってほしいなと思います。
そこで、今回は『選挙で選ばれる国会議員ですが、衆議院と参議院って何が違うのですか?』
というのをわかりやすく説明したいと思います。
まずは、日本の選挙のしくみを知りましょう!
まずは、日本という国は「民主主義」といって、国民または国民によって選ばれた代表者が政治を行っている国家になります。
★直接民主制・・・人々が直接話し合いに参加して物事を決めていく制度
★間接民主制・・・選挙で代表者を選んで議会を作り、話し合いで物事を決めていく制度で、議会制民主主義ともいう。
日本の選挙の基本的原則として、財産や性別に関係なく選挙権がある「普通選挙」が原則で、一人一票の無記名投票で議員を国民が直接選出している。
選挙制度
選挙で代表者を選ぶ仕組みは、公職選挙法にで決められています。
公職選挙法とは、公職(国会議員や地方公共団体の議員など)に関する定数と選挙方法を定めた法律の事。
その中で、当然ですが選挙制度に関する取り決めもしっかりと定められています。
①小選挙区制・・・候補者個人に投票する。1つの選挙区で1人の代表者を選ぶ制度
②大選挙区制・・・候補者個人に投票する。1つの選挙区で2人以上の代表者を選ぶ制度
③比例代表制・・・政党に投票する。得票に応じて各政党の議席数を配分する制度。
※「ドント式」が採用されている
ドント式とは・・・
下の表は、ある地域での比例代表選挙の結果を表しています。
この地域の定員が6名の場合、当選する人が誰になるのかを計算してみます。
政党名 | いぬ党 | ねこ党 | さる党 | とり党 | |
名簿 の 順位 |
1位 | Aさん | Fさん | Kさん | Pさん |
2位 | Bさん | Gさん | Lさん | Qさん | |
3位 | Cさん | Hさん | Mさん | Rさん | |
4位 | Dさん | Iさん | Nさん | Sさん | |
5位 | Eさん | Jさん | Oさん | Tさん | |
得票数 | 3000 | 1800 | 1000 | 500 |
比例代表選挙は、ドント式で当選者を決めます。
各政党の得票数を1,2,3・・・で割って、その数の大きい順番に定員が埋まるまで数えていきます。
という事で、下の表を見て見ましょう。
割る数 | いぬ党 | ねこ党 | さる党 | とり党 |
1 | 3000 | 1800 | 1000 | 500 |
2 | 1500 | 900 | 500 | 250 |
3 | 1000 | 600 | 333 | 167 |
4 | 750 | 450 | 250 | 125 |
得票数 | 3000 | 1800 | 1000 | 500 |
結果順番として、Aさん、Fさん、Bさん、Cさん、Kさん、Gさんの順番で6名が当選者となります。
衆議院と参議院の比例代表制で用いられる計算方式です。
大きな政党だと上位に名前が記載されれば、ほぼ間違いなく当選出来ちゃいます。
基本的には、比例代表制は無いほうが公平な選挙が出来ると思いますけどね。
衆議院と参議院の違いは?
日本の国会議員は、衆議院議員と参議院議員の2種類になります。
ここでは、その違いが分かるように、衆議院と参議院について説明していこうと思います。
衆議院のしくみ
衆議院の議員定数は465人で、任期は4年間になります。
ただ、衆議院には解散があるので、4年間安泰というわけではありません。
被選挙権は満25歳以上で、小選挙区比例代表制を採用しています。
小選挙区比例代表制とは、小選挙区制と比例代表制を合わせた選挙制度になります。
元々は定員が3~5人の中選挙区制を採用していたのですが、
議席の過半数を獲得するためには同じ政党の候補者を、同じ選挙区から立候補させる必要が出てきます。
そうなると、政策や理念での戦いではなく、派閥主体のサービス合戦になり、
選挙資金が膨大になったり、裏金などの政治腐敗に繋がるという事で、選挙改革の時に小選挙区比例代表制に変わりました。
参議院のしくみ
参議院の議員定数は248人で、任期は6年間になります。
3年ごとに半数を改選しますので、定員の半分ずつ3年ごとに選挙があるという事になります。
被選挙権は満30歳以上で、選挙区制と比例代表制の2つの選挙制度を採用しています。
参議院には解散がないので、当選すれば基本的には人気の6年を全う出来る事になります。
衆議院の優越
衆議院は任期が参議院よりも短く解散もあるため、国民の意見とより強く結びついていると考えられていて、
以下の事に関しては、参議院よりも優先されている。
①法律案の議決・・・参議院で否決されても、その後衆議院で出席議員の3分の2以上で再可決されれば成立する。
②予算の議決・条約の承認・内閣総理大臣の指名・・・参議院で否決された場合でも、衆議院の議決が国会全体の議決になる。
③予算の先議・・・予算は衆議院が先に審議を行う。
④内閣不信任決議・・・これは衆議院だけが出来る。
国会とは?
『国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である』と憲法第41条に定められている。
日本は三権分立が確立されていて、国会はその一つである立法に当たります。
国会のしくみ
☆二院制・・・衆議院と参議院で構成されていて、その目的は、「国民のより広い意見を国会に反映させること」と、
「慎重な審議により衆議院の行き過ぎをおさえること」にあります。
両院での議決が異なる場合は、両院協議会が行われる事もあります。
国会の種類
①通常国会(常会)・・・毎年1回、1月に開催されます
②臨時国会(臨時会)・・・内閣が必要と認めたとき、または、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合
③特別国会(特別会)・・・衆議院の解散後の総選挙日から30日以内
④参議院の緊急集会・・・衆議院の解散中、緊急の必要があるとき
まとめ
今回は、私たちが選ぶ国会議員ですが、その国会議員には衆議院と参議院があって、
その違いについて、あまり良く知らない人が多いんじゃないかと思って調べてみましたが、
お分かりいただけたでしょうか?
現在は、政教分離が出来ていない・・・と少々問題にもなっていますが、
今の状態を作ったのは私たち国民にも責任はあります。
私たちは、もっとよく政治を学んで、その代表者たる政治家が好き勝手しないように、
しっかりと政治に関心を持って、政治家が何をしているのか?を知って、選挙に足を運んで実直な政治家を選んで投票をしてほしい。
間違っても、テレビに出ていて知っているから・・・とか、有名人だから・・・というのは避けてほしいなと思います。
選挙に行ってもどうせ変わらない・・・というのではなく、
日本の未来の為に・・・今の子供達の将来為に良い生活しやすい日本にしましょう!
より良い政治家を見極める目を持つ努力をしましょう!