台湾の歴史と日本や中国との関係について、わかりやすく書いてみました。

最近、テレビやインターネットのニュースで、台湾の話題を目にする機会が多くなったように感じます。

ご存じだとは思いますが、台湾の正式国名は「中華民国」です。

「台湾」という国名が、「中華民国」という国名に全く被らないので、
もしかしたら、台湾と中華民国は別物と思っている方も多いのではないでしょうか?

逆に「中華民国=中国」だと間違えている方も多いかもしれませんね。

今や経済大国になった「中国」を知らない人はいないと思いますが、
その中国の正式国名は、「中華人民共和国」というすこしお堅い感じの国名があります。

名前だけを見ていると、『中華民国』と『中華人民共和国』って別の国なの???
という様な???を持つ方がいても不思議ではないかなと思います。

それぞれの国の印象としては、
台湾は、日本とすごく友好的な印象が強く、何かと好意的なイメージがあります。

一方中国は、三国志や水滸伝のような歴史小説や秦の始皇帝の時代を舞台にした『キングダム』というアニメが大好きな日本人には、
壮大な歴史をイメージしてしまうかもしれません。

どちらの国も歴史上は日本とは深い繋がりがあるのですが、
台湾と中国は、私たちには別の国じゃないの?という印象が強いのも事実です。

そこで今回は、『台湾の歴史と日本や中国との関係』について、わかりやすく書いてみました。
というテーマで書いていこうと思います。

台湾は中国の一部?

元々は、台湾は中国の領土の一部でした。

1894年の日清戦争で、日本が中国に勝利した後に締結された「下関条約」によって、
日本が台湾を統治することになりました。

その後、1945年に日本が太平洋戦争で敗戦国となり、
日本の「ポツダム宣言」により、台湾は中華人民共和国、つまり中国に返還される事になりました。

短期間ではありましたが、日本の統治下だった時に徹底した日本語教育が行われていたので、
台湾人で高齢の方は、今でも日本語を流暢に話せるという事です。

ですので、台湾が本来中国の一部だったというのは歴史上事実です。

中国国民党と中国共産党の内乱

とはいえ、中国は元は「中華民国」という国名でした。

革命家の孫文が1912年に清を滅亡させて興した国家です。

孫文の後を引き継いだのが、あの有名な『蒋介石』になります。

その後、いわゆる中国で毛沢東などのインテリと言われる人たちが「中国共産党」を結成します。

そして、蒋介石率いる「中国国民党」と対立を深めていきます。

第二次世界大戦中は一時休戦していましたが、日本が敗戦後には再び対立が激化して、
激しい内乱の末に、中国共産党が勝利しました。

中国国民党の蒋介石は、命からがら台湾に逃げ、新たに政権を樹立します。
これが、現在の台湾の始まりになります。

中華人民共和国が国際的に正式に中国として認められる

『中華民国』は、中華人民共和国より歴史があること。
『中華人民共和国』は、現時点で中国本土を統治しているのは中国共産党であること。

この両国は、どちらが中国の代表であるかを競り合っていました。

結果としては、中華人民共和国が国家として成長していることから、
1951年の国連総会で正式に中華人民共和国が中国の代表となり、中華民国は国連を脱退したのです。

そして、中華民国が国連を脱退したことにより、中華民国との国交を断絶する国が増えました。

日本は、1972年に中華人民共和国と国交が回復したことにより、
中華民国(台湾)とは国際的な交流が途絶えることになったのです。

どうして王貞治やテレサ・テンは日本に来られたの?

当時、日本には多くの台湾出身の有名人が来日しています。

元プロ野球選手・監督の王貞治さん、歌手の故テレサ・テンさんを始めとして、日本で活躍する台湾人は多いです。

国交を断絶しているのに、なぜ彼らは日本にいられるのでしょうか?

実は、日本と台湾は国家レベルでは外交を行なっていませんが、民間レベルでの交流は続いていました。

また、1972年以前は交流がありましたので、王さんの家族は日本に来られたのです。

一方、テレサ・テンさんは国交断絶後の1974年に日本でデビューしましたが、
台湾ではなくインドネシアのパスポートで入国したと言われています。

民間レベルでの交流は現在でも続いているので、完全に国交断絶というわけではなさそうです。

台湾人に親日家が多いのはなぜ?

台湾には親日家が多いと言われています。

東日本大震災で、日本の東北地方が大きな災害に遭った時に、
義援金だったり、救助隊を真っ先に派遣してくれたりと日本への好感を持つ国民が多いと言われています。

義援金に関しては、世界第1位の250億円を集めてくれました。

日本もお返しでは無いですが、台湾有事には真っ先に駆け付ける用意はあるだろし、
コロナワクチンの無償提供を行うなど、友好な関係を築いていると言えるでしょう。

その大きな理由として考えられるのは、
台湾が日本統治下だった時、日本が台湾を中国本土並みに近代化させようとして、
経済的に大きく発展させた事が大きいと言われています。

港・鉄道・学校・ダムなどを建設し、
それが、台湾人にとって日本の善意として受け止められたことが大きく、
現在の経済発展は、当時の日本がインフラ整備などをしてくれたおかげと思ってくれています。

その為、日本に対して好意的に思ってくれている人が多いのです。

現在の中国と台湾の関係

それでは、現在の中国と台湾の関係をみていきましょう。

ニュースでよく台湾が取り上げられているのは、ロシアのウクライナ侵攻の影響があります。

ロシアがウクライナを掌握しようとしているように、
中国も台湾を併合しようとしているのではないかと報じるメディアは少なくありません。

現に、台湾進攻を仮想標的にした軍事演習をしていると言われていますし、
そのことで、中国とアメリカが対立をする事も多々起こっています。

仮に中国が台湾に侵攻した場合は、日本にも大きな影響があると思います。
考えたくは無いですが、台湾の次は日本が標的にされる可能性も小さくないと考えられます。

そのため、今後の中国と台湾の関係は他人事ではなく、注目しておかなくてはなりません。

近代化された今の時代に、戦争が起こるとは夢にも思わなかったと思いますが、
現在、ウクライナで戦争が起きています。

難しい問題ではありますが、『戦争』という選択肢を外した解決策を期待したいものです。

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