どこの家庭にも水道があると思います。
そして、その蛇口をひねれば、水があたりまえのように出てきます。
一昔前は、水道の水をそのまま飲むのが普通だったし、
それを疑問に思う人も、まずいなかったのではないでしょうか?
今では、コンビニ・スーパーなどのお店には、
ペットボトルに入った水がたくさん陳列されています。
それがごく普通の光景になっていますよね。
水道水を飲料水として利用しているご家庭は、
もしかすると、今では少数派なのかもしれません。
水道水を飲料水として利用するのは、危険なのでしょうか?
また、そうであるならば、水道水を飲料水として安全に利用する方法はないのでしょうか?
そこで今回は、水道水をそのまま飲むのは危険なのか、その理由と安全に飲むための方法を教えます。
という事について書いていきます。
水道法って知ってますか?
水道法が施行されたのは、1957年です。
水道法第一章第一条(この法律の目的)では、
水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによって、
清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする
と記載されています。
つまり「清潔な水を供給します」と水道法では規定されています。
また、水道法第四条【水質基準 6項目】には以下のように記載されています。
- 病原生物に汚染され、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものではないこと。
- シアン、水銀その他の有毒物質を含まないこと。
- 銅、鉄、弗素、フェノールその他の物質をその許容量をこえて含まないこと。
- 異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。
- 異常な臭味がしないこと。ただし、消毒による臭味は除く。
- 外観は、ほとんど無色透明であること。
厚生労働省では、
「水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令により定められています。
水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により水道事業体等に検査の義務が課されています。」
また、
「水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目、
毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目と位置づけ、
必要な情報・知見の収集に努めています」
としています。
国は、清潔な水=飲める水と位置づけ、
安全で安心して飲める水道水を供給するため、最新の知見で随時見直しを行っているのです。
水道水の問題点は?
前述したように、日本の水道水は、厳しい管理の元で水質基準をクリアしており、
世界の中でも高いレベルの安全性を保っています。
しかし、
水道水が各家庭に届くまでには、
古くなった配管のサビなどの不純物が混入する可能性があります。
その為、水道水は塩素によって殺菌され、各家庭に供給されています。
塩素は水質を保つために必要ですが、その塩素は水道水に含まれる有害物質と反応して、
『トリハロメタン』という発がん性物質を発生させてしまいます。
その量は微量なので、健康上の問題はないと言われていますが、
たとえ微量とはいえ、発がん性のある物質が体内入ることに抵抗感を感じる人は少なくないでしょう。
また、水道法第四条には、
『異常な臭味がしないこと。ただし、消毒による臭味は除く。』
と規定されていることは前述しました。
しかし、匂いは美味しさの評価に大きく影響します。
水の消毒のため使用された塩素は、水道水に残留塩素として含まれています。
残留塩素は、カルキ臭のもととなっています。
※カルキ臭は塩素の濃度に影響されるので、カルキ臭の程度は地域によって差が見られます。
水道水を安全に美味しく飲むためには
水道水は国の水質基準を充たした安全な水であると理解はできても、
やはり、すべての不安を払拭した水を美味しく飲みたいですよね。
なので、若者を中心に飲料水を購入して飲む人が増えているのだと思います。
では、水道水を安全にかつ美味しく飲む方法はないのでしょうか?
それでは、以下にその方法をご紹介させて頂きます。
- 水道水を沸騰させる
水道水を沸騰させると、水道水に含まれる塩素を除去できるため、カルキ臭がしなくなります。
また、トリハロメタンも除去することができます。
- 炭を入れる
炭には、塩素を吸着する性質があります。
水道水1リットルに対して、100gの炭を入れて一晩そのままにしておくと、
塩素によるカルキ臭や独特の味を除去することができます。
加えて、ミネラル含有量UPも期待できます。
- 浄水器を利用する
メリット、デメリットを併せて考え、ご家庭に合った種類の浄水器を選択できるといいですね。
浄水器に関してはこちらを参考にしてください。
まとめ
水道の蛇口をひねって水が出る・・・こんな国は日本以外には数少ないと思います。
しかも、飲料水として利用しても大丈夫な国は、もしかしたら日本だけなのかもしれません。
日本に住んでいると、それが当たり前過ぎるので、その有難みが薄れているのでしょう。
ただ、飲料水として、ミネラルウォーターを購入しても、それほど高額な出費にはなりません。
しかも、体に害のない、おいしい水を飲みたいということでしたら、ミネラルウォーターを選択する方が正しいと思います。
でも、日本の水道水の水質は、世界のトップクラスを維持しています。
少し工夫したり、ひと手間かけることで、より安全に水道水を飲料水としても利用できれば、
ペットボトルのごみ削減につながり、それが結果として地球環境にもやさしいということになります。
話題のSDG’sに繋がります。
さらに、水道水だって、料金を支払っていますから無料ではありません。
ペットボトルを購入しなくても良くなれば、家計にもやさしいという事になりますよね。