トガリネズミとは?どこに生息していて、寿命はどのくらいあるの?

みなさんは『トガリネズミ』をご存知でしょうか?

ハツカネズミやドブネズミならその姿をすぐに思い浮かべられるかもしれませんが、
トガリネズミについては、首をかしげられる方が多いのではないでしょうか?

実は、私も初めてその名前を聞いた時には、???となった1人です。

でも今、トガリネズミが何かと注目されているようなんです。

そこで今回は、トガリネズミとは?どこに生息していて、寿命はどのくらいあるの?
という事について調べてみました。

愛らしいトガリネズミの姿

あなたがもし、道を歩いていて、鼻先が長くて尖っている小さな動物を見かけたとしたら・・・
その動物は、トガリネズミかもしれません。

ビロード上の毛足の短い毛皮を身にまとい、小さくつぶらな目で世界を見つめるトガリネズミ。
ネズミ類と比べて観察すると、5指のついた前足、細長い頭骨、連続した歯列がトガリネズミ類の特徴であることを理解できます。

上記の説明を見ても分かる通り、名前に「ネズミ」と付きますが、
ネズミ類とは縁遠い種の『トガリネズミ類』に分類されます。

見た目でもそうですが、どちらかと言えば、モグラに近い動物だという事です。

その体長は約2cm、尾長は約3cm、体重は約2g。
世界最小の哺乳類の1つと言われるほど、かなり小さな動物なので、
ハツカネズミやドブネズミと見まちがうことはなさそうですね。

どこに行ったらトガリネズミに会えるの?

トガリネズミは、北海道の自然林や草原、草地などに生息しています。

主に平野部の草地や低木林で、その姿を確認されています。
そのため、人里に近いところに多く生息しているのでは?とも考えられています。

もしかしたら、北海道に行く機会があれば、
ふとしたとき、思いがけずトガリネズミに出会えることがあるかも知れませんね。

北海道に生息しているのにトウキョウトガリネズミ?

ところで、日本に生息しているトガリネズミ、
すなわち亜種のトガリネズミは、トウキョウトガリネズミ』と名付けられています。

でも、先ほどご紹介したとおり、トガリネズミは北海道に生息しています。

では、北海道にしか生息していないトガリネズミは、なぜトウキョウトガリネズミと呼ばれているのでしょう。

それは、トガリネズミが新種の動物として発見された際に使われた標本のラベルに、
Yezo(蝦夷=北海道)と記されるべきところをYedo(江戸=東京)と間違えて記されたためだそうです。

「えっ!」と思わず笑ってしまうようなエピソードですが、
またそのようなエピソードも愛嬌たっぷりのトガリネズミに似合ってるな。。。
と微笑ましく感じてしまうのは私だけでしょうか。

トガリネズミの一日

トガリネズミは、昼も夜も関係なく終日活動し、コオロギなどの昆虫類やクモ類、ミミズなどを捕食しています。

それでは、いつ眠るの?と、
心配になってしまった私ですが、トガリネズミは、時々10~50分程度の睡眠をとるそうです。

捕食と休息を繰り返して、生活しているのがトガリネズミなんですね。

世界最小の哺乳類の一種であるトガリネズミは、その体の小ささゆえに、非常に高い代謝率をもっています。
そのため、飼育下ではおよそ30分ごとに採食と休息を繰り返し、一日に体重の3~4倍の餌を食べることが観察されています。

ちなみに、トガリネズミが冬眠することはありません。

気になる寿命は?

トガリネズミの寿命は、自然下では約1年とされています。

トガリネズミは体型的にかなり小さいので、自然の中で見つけることは非常に困難です。

そのため、詳しい生息数は把握されていません。

また、分布域も局所的であり、確認例が少ないことから、環境省では絶滅危惧種に指定されています。

なぜ今注目を集めているのか?

今年3月、森林野生動物研究会の会誌にトガリネズミの生態に関する論文が発表されました。

その論文を執筆されたのは、環境省希少野生動植物保存推進員の河原淳さんです。

野生のトガリネズミが出産をして、
その子どもたちが生まれてから成長していく過程を3か月もの間、記録し続けることに世界で初めて成功されたという事です。

河原さんによると、今後は繁殖の仕方や生態をどんどん明らかにして、
トガリネズミの種の保存につなげたいと話されていました。

実は、まだまだトガリネズミは謎が多い動物なのです。

その生態を知るということは、自然の生態系を知ることにつながり、
また、自然環境を保全することは、わたしたちの未来を守ることにもつながっていきます。

目覚めとともに活動し、疲れたら迷うことなくひとやすみ。
そんな愛すべきトガリネズミには、いつまでも生を謳歌してほしいですね。

 

【スポンサードリンク】